[中小企業診断士2次試験対策]キャッシュフロー計算書のまとめノート

この記事では、私が2023年の2次試験合格に向けて学習している内容をまとめます。

私自身、まだ合格していない学習中の身ですので間違って認識している点もあるかもしれませんのでご容赦ください。

 

今回は、事例Ⅳのキャッシュフロー計算書作成についてまとめます。

この記事は、これから1年間学習を行なっていく中で随時更新して、最終的には試験直前に利用するファイナルペーパーの叩き台にするつもりです。

 

キャッシュフロー

事例Ⅳにおけるキャッシュフロー計算書の立ち位置

事例Ⅳにおいてキャッシュフロー計算書は直近数年については出題が減少しているようですが、今後再び出題されることもあるかもしれません。

出題のされ方としては、損益計算書貸借対照表を元にしてキャッシュフロー計算書を作成し経営上の問題点を指摘するパターンです。

 基本的には足し算と引き算なので計算方法自体は難しくはありませんが、与件文や設問、損益計算書貸借対照表から計算に必要な要素を抜き出し、慌てず正確に作成する必要があります。

キャッシュフロー計算書とは

キャッシュフロー計算書は事業年度において企業がどれくらいキャッシュを増減させたかを表します。

ここで言うキャッシュの増減とは、「現預金および現預金同等物」の増減を指しています。

損益計算書の期間中の「利益」と期間中の「現預金および現預金同等物の増減」は一致しません。

損益は「発生主義」で計上されるため、実際にはキャッシュの増減は後から(または、それ以前に)起こる場合があるからです。

例えば、掛売上、掛仕入の計上や前払いで保険料等を一括支払いした場合などです。

キャッシュフロー計算書では、それらを補正して企業活動における実際のキャッシュ増減を明らかにするために作成されます。

キャッシュフロー計算書の基本構造

キャッシュフロー計算書の基本構造

キャッシュフロー計算書は、

に分かれます。

 

営業活動によるキャッシュフロー

「営業活動によるキャッシュフロー」とは、企業の主となる事業において、どれだけのキャッシュを生み出しているのかを示す項目です。この営業キャッシュフローがプラスなら、その主たる事業はキャッシュを生み出しており、マイナスならその事業によって、資金が減少しているという状態です。

投資活動によるキャッシュフロー

「投資活動によるキャッシュフロー」とは、新規設備の導入などの設備投資や他事業への投資といった投資活動によるキャッシュの流れを示す項目です。
この項目がプラスになっている場合は、既存の資産などを売却してキャッシュを増加させた状態、マイナスの場合は、新たに投資を行いキャッシュが流出した状態を表わします。

財務活動によるキャッシュフロー

「財務活動によるキャッシュフロー」は、企業の資金の調達方法と、金融機関等への返済方法を表すの項目です。

株式や社債の発行、金融機関からの借入れや、その返済などがここに含まれます。
新規に借入などを行なった場合、この指標はプラスになります。

逆に返済を行なった場合はマイナスになります。

 

中小企業診断士2次試験対策としてのキャッシュフロー計算書

キャッシュフロー計算書の3項目

その中でも試験対策上、重要になってくるのは営業キャッシュフローです。

その作成方法には直接法と間接法がありますが、中小企業診断士試験の対策上で重要なのは間接法です。

営業活動によるキャッシュフローの基本構造

間接法による営業キャッシュフローの基本構造は以下のとおりです。

  • 税引前当期純利益(+/-)…最初は税引前からスタート
  • 減価償却費 (+)…非資金科目(実際に現預金は減少していない)※他に非資金科目があれば同様に(ex. 減損損失(-)、貸倒引当金(+/-))
  • 営業外収益 (-)…小計以下で計上するため、収益は減算※試験対策上は、受取利息
  • 営業外費用 (+)…小計以下で計上するため、加算※試験対策上は、支払利息
  • 特別利益 (-)…小計以下、または他で計上するため、収益は減算。※固定資産売却益は、実際の売却額に含んで投資活動のキャッシュフローで計上する
  • 特別損失 (+)…小計以下または他で計上するため、費用は加算。
  • 売上債権の増減額(+/-)…売掛金が増加=現預金が減少(-)、売掛金が減少=現預金の増加(+)
  • 棚卸資産の増減額(+/-)…棚卸資産が増加=現預金が減少(-)、棚卸資産が減少=現預金の増加 (+)
  • 仕入債務の増減額(+/-)...買掛金が増加=現預金が増加 (+)、買掛金が減少=現預金の減少 (-)
  • 小計
  • 営業外収益 (+)...経過勘定がある場合に注意!(未収利息)
  • 営業外費用 (-)...経過勘定がある場合注意!(未払利息)
  • 特別利益 (+)...投資活動、財務活動で計上する場合もある
  • 特別損失 (-)...投資活動、財務活動で計上する場合もある
  • 法人税等支払 (-)...未払法人税の増減に注意!
  • 営業活動についてのキャッシュフロー

投資活動によるキャッシュフロー

投資活動によるキャッシュフローの基本構造は以下のとおりです。

  • 有形固定資産の取得による支出 (-)
  • 有形固定資産の売却による収入 (+)
  • 有価証券の取得による支出 (-)
  • 有価証券の売却による収入 (+)
  • 貸付による支出 (-)
  • 貸付金の回収による収入 (+)
  • 投資活動によるキャッシュフロー

貸付、貸付金の回収が財務CFではなくここに入るのが少し紛らわしい気がします。

財務活動によるキャッシュフロー

財務活動によるキャッシュフローの基本構造は以下のとおりです。

試験の中で狙われるのは、配当金の支払いについてでしょうか。

  • 短期借入金の借入による増加 (+)
  • 短期借入金の返済による減少 (-)
  • 長期借入金の借入による増加 (+)
  • 長期借入金の返済による減少 (-)
  • 社債の発行による増加 (+)
  • 社債の償還による減少 (-)
  • 株式発行による増加 (+)...資本金が増加している場合
  • 配当金の支払いによる減少 (-)...B/Sでの利益剰余金の増加と当期純利益が一致しない場合、差額は配当金として支払われている。
  • 財務活動によるキャッシュフロー

キャッシュフロー計算書の作成時の注意事項

試験で出てくるキャッシュフロー計算書の作成問題では、経過勘定(売掛金、未払費用、未払法人税など)などに注意する必要があります。

基本的には足し算と引き算なので受験生の点数に少しでも差をつけるためには、与えられている貸借対照表損益計算書、与件文、設問文の記載のチェック漏れがないように気をつける必要があります。

また、時間がなくても検算をするのが重要です!

 

貸借対照表の現預金残高の増減 = 営業CF + 投資CF + 財務CF

まとめ

今回は、キャッシュフロー計算書の作成についてまとめました。

キャッシュフロー計算書は中小企業診断士2次試験で出題実績があるのですが、私は今回(2022年)の試験前には学習していませんでした。

私は過去問5年分を試験前に解いたのですが、その5年には出題がなかったため優先度を下げた次第です。

経理担当者として働いていたこともあり、以前から知識としては持っていました。また、当然1次試験対策としては学習していたのですが今回改めて基礎問題の演習を行う中でその弱さ、薄さを感じました。

これから1年間、事例Ⅳの問題演習は毎日のように行なっていく中で、1年後には自分の事例Ⅳが得意事例になるように頑張ります。